以前は14日分処方という医療機関も多くみられましたが、近年は30日分、60日分なかには90日分という処方もみられるようになってきました。
患者さんによっては、医療機関へ行くのが面倒くさいという方などは、できるだけ処方日数を増やしてほしいと希望されることもあるかと思います。
では、処方日数は何日分まで可能なのでしょうか?
今回は処方箋で処方される医薬品の日数についてのお話です。
処方日数に関する規制はありません
一部の医薬品(睡眠薬や特別に管理が必要なもの、新薬)を除いて、処方日数に関する規制はありません。
処方日数は、患者さんの病状や必要性に応じて医師が判断します。
ですので、365日分処方ということも現実的には可能ですが、かなり稀です。患者さんの病状が変化する可能性があるため定期的に医師の診察を受けることが推奨されています。
薬価収載されてから1年以内は原則14日分まで
新薬、つまり発売されてから1年以内のものについては原則的に14日分が処方の限度となります。
これは効果や副作用のデータが十分に集まっていない可能性があるため、患者さんの安全性を確保するための措置です。
この制限が見直されつつあり、一定の条件を満たした場合に限り処方日数制限について例外的な取扱いをすることとされています。
最近では、令和4年11月に薬価収載された「コセルゴカプセル10mg及び同カプセル25mg」については、一定の条件を満たしたものとして、新薬ではありましたが、処方日数制限は28日間となりました。
また、特殊な事情(年末年始、ゴールデンウイークや海外旅行など)がある場合、通常の処方日数制限を超えて処方することができますが1回あたり最大30日分までの処方となります。
具体的には、14日制限の薬は30日まで延長可能となりますが、30日制限の薬の延長は認められていません。
医療機関によっては、8月中旬にお盆休みを設けているところもありますが、このお盆休みは特殊な事情には該当しないため処方日数制限を超えて処方することはできないので注意が必要です。
関連記事:新薬の処方日数制限は必ずしも14日間ではない?!【新薬の処方日数制限について】
長期処方ならばリフィル処方箋の活用を
日本でも2022年4月からリフィル処方箋が開始されました。
リフィル処方箋は、同じ処方箋を一定期間であれば繰り返し使用できる処方箋です。
リフィル処方箋は、2回目以降に薬をもらう場合には医師の診察はありませんが、薬局で薬剤師により服薬状況の確認や副作用の有無など確認したうえでなければ受け取ることができません。
このため、長期処方をするのであればリフィル処方箋の方が患者さんの健康維持のためによい仕組みです。
ただ日本においては、まだリフィル処方箋はほとんど活用されていない状況です。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。