1錠だと効きすぎてしまう場合、半分にして服用できるように、中心に割りやすいように溝があるものがあります。
いわゆる【割線】といわれるものですが、
錠剤の中心に溝があるものすべてが【割線】ではないのです。
【割線】と【割線模様】の違いなどを解説します。
【割線】と【割線模様】は違うもの
割線はどのようなものか知ってますか?
割線って錠剤の真ん中にある溝のことでしょ!?
錠剤を半分にするときに使っているけど。
その割線だと思っている溝ですが、
割線ではないかもしれませんよ。
真ん中にある溝は全部、割線じゃないの??
【割線】と【割線模様】の違いとは?
錠剤の真ん中に溝はすべて割線だと思われがちですが、
割線でないものも存在します。
【割線】はその中心線(溝)で分割したときに、それぞれ有効成分が均一になっているものです。
これは、医薬品の製造承認する際に試験して申請する必要があります。
これに対して【割線模様】については錠剤に刻まれている線で割ったときに有効成分が左右で均一になっているものを保障するものではありません。
なので【割線模様】については中心線と思われるところで分割したとしても、ちょうど半分の量になっているとはいえないのです。
【割線】を見分けるポイントは?
【割線】か【割線模様】のどちらなのかを判別するには、添付文書の性状の項目で確認できます。
性状の項目にはその医薬品の剤形や色、大きさ、厚さ、重さなどが記載されており、
そこに “割線入り” の記載があれば【割線】として認められているということになります。
“割線入り” の記載がなければ錠剤の中心に割るような線があったとしても【割線】ではなく【割線模様】ということになります。
フルイトラン錠、メイラックス錠、ラシックス錠、リフレックス錠などは
見た目は【割線】のようですが【割線模様】です。
自家製剤加算で、算定要件となる【割線】
医師の指示などにより錠剤を半錠にして調剤した場合には、自家製剤加算を算定することができます。
錠剤を半錠にして自家製剤加算を算定する場合の条件として
- 割線がある医薬品である
- 半錠と同じ含量の規格の錠剤が、ジェネリック医薬品を含めて薬価基準に収載されていない
このように、自家製剤加算を算定する際に【割線】は重要です。
【割線模様】で分割したとき、有効成分は均一ではない?!
【割線模様】については、錠剤に刻まれている線で割ったときに有効成分が左右で均一になっているものを保障するものではないということでしたが、実際はどうなのでしょうか?
近年は技術の向上により錠剤などのどの部分においても有効成分が均一に含まれるようになっているようです。
なので、【割線模様】であったとしても、その線で分割すれば左右である程度均一になっているだろうと想定されます。
仮に左右の割合が極端に違う医薬品があったら、錠剤ごとの有効成分の均一性についても疑わしくなってしまいます。
徐放製剤のように、薬物動態を考慮してつくられた錠剤は
そもそも半錠にすることはできませんので注意しましょう。
自家製剤加算は【割線】がないと算定できない!?
錠剤を半錠にしたときに自家製剤加算を算定する要件に
“【割線】がある” というのがありますが、
では【割線模様】では算定できないのでしょうか?
これについては、支払基金などの判断で違いはあるようですが、
算定を認めている場合もあるようです。
【割線】がない錠剤であっても、処方医の指示があり薬剤師が医療上の必要性を認めて分割しても問題ないと判断できる場合には自家製剤加算を算定しても問題ないと判断しているところもありますが、
原則は、【割線】がある場合に自家製剤加算を算定が可能となります。
また、割線がある錠剤と同様に半錠の含量の製品が薬価収載されているものについては算定はできません。
フルイトラン錠については、十字に【割線模様】があり、
半分どころか4分割もできそうです。
フルイトランについては4分割をして自家製剤加算を算定して
認められた事例もあるようですが、
各審査機関によって判断がわかれるようです。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。