処方箋のサイズは決まっているの?その基準や処方箋の取り扱いなどを解説

よくみられるA5サイズの処方せんですが、

医療機関によってはA4サイズで発行しているところもあります。

処方せんを保存・管理するのに、できればサイズは統一してもらいたいなと感じている方もいるかもしれません。

処方せんの基準などついて薬剤師が解説します。

処方箋の取り扱いに基準はあるの?

処方箋の記載事項に決まりはありますが、処方箋様式には決まりはない

医師や歯科医師が発行する処方箋ですが、

患者さんの氏名や年齢、医療機関名などが記載されていますね。

医療機関によって、デザインや用紙の大きさなど違うことも珍しくありません。

では、処方箋の記載内容や様式に決まりはあるのでしょうか。

記載事項については医師法に記されていますが、記載様式については特に基準などはありません。

 

処方せんの規定では、医師法第22条で交付義務について、医師法施行規則第21条で処方せんの記載事項が記されています。

医師法第22条

医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。

医師法施行規則第21条

医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。

このように処方箋の記載事項については医師法によって定められていますが、

処方箋のサイズなど様式については決まりはないのです。

上記のように処方せん様式については決まりがありませんでした。

では、何でもいいのかというとそうではなく保険医療機関及び保険医療養担当規則第23条において “保険医は処方せんを交付する場合には、様式第2号又はこれに準ずる様式の処方せんに必要な事項を記載しなければならない” とされています。

この様式第2号は日本工業規格A列5番、すなわちA5サイズの用紙とされています。

このことから処方せんの用紙のサイズはA5を基準とするとなっています。

ただし “様式第2号またはこれに準ずる様式” と記載があるように “準ずる様式” とされているため、実際には規定されている必要な事項が記載されていればA5サイズでなくても認められています。

この “準ずる” については具体的な範囲は示されていませんがA5サイズ以外では、A4サイズで交付している医療機関があります。

偽造防止対策がされた処方箋

最近は、機械の技術が進歩してコピーなど複製された処方せんでも、本物かどうか見分けるのが難しくなってきています。

コピーした処方せんを使用して複数の調剤薬局で薬をだまし取るといった事例は、たびたび発生しています。

もちろんコピーした処方せんを使用すれば有印私文書偽造罪や詐欺罪、または麻薬及び向精神薬取締法違反などの罪に問われることになりますが、できれば偽造処方せんを未然に防ぎたいものです。

ここで、最近増えてきているのが “コピーガード処方せん” というものです。

“コピーガード処方せん” はコピー機で複写すると『複写』などといった文字が複写されたものに浮かび上がるようになっていて、コピーされたものが容易に判別することができるようになっています。

 

 

処方せんの発行は拒否できる?

風邪などで医療機関を受診すると処方せんが発行されるけど、

処方せんの発行は拒否できないの?

医師は診断をして薬を飲んだほうがいいと考えて

処方せんを発行したんだと思いますよ。

そうだと思うんだけど・・・

薬はあまり飲みたくないのよね。

でも医師は必要と判断した場合には、

処方せんを発行しなくてはいけないのです。

それじゃ、やっぱり処方せんの発行は

拒否できないのかぁ。

医師は必要に応じて処方せんを発行しなくてはいけませんが

患者さんから申し出があれば拒否はできますよ。

下記の医師法第22条に記してありますよ。

医師法第22条

医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。

ほんとだ!

それじゃ薬を飲みたくないから

今度から処方せんの発行は拒否してみようかな。

いやいや、医師は診察して薬が必要と判断しているのですから

薬を飲みたくないという理由だけで拒否するのはお勧めしません。

きちんと医師と相談するようにしようね。

この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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