麻薬の成分が含まれている?!即効性のある痛み止めの漢方薬【安中散】について

胃腸の痛みでよく処方される【安中散】には延胡索えんごさくという生薬が含まれています。

延胡索はケシ科のカラエンゴサクの塊茎を乾燥したものです。

ケシ科!?麻薬のアヘンもケシ科だよね、と思われた方もいるのではないでしょうか。

今回は延胡索を含む【安中散】について解説します。

 

 

胃腸の痛みに即効性のある【安中散】

安中散あんちゅうさん】は、桂皮けいひ、 延胡索えんごさく、 牡蛎ぼれい、 茴香ういきょう、 甘草かんぞう、 縮砂しゃくや、 良姜りょうきょう の7種類の生薬を含む漢方薬です。

【安中散】の「中」とい字は身体の真ん中、すなわち胃腸を表しています。つまり、胃腸が安らかにという意味がこめられています。

胃腸の働きと痛みを同時に抑え、即効性があるとされています。

胃腸の痛みだけでなく、腹痛や月経痛などもに効果があり身体を温める作用もあるため、常備薬として使用している女性も数多くいます。

 

ケシ科の生薬 “延胡索”

延胡索は、ケシ科のカラエンゴサクの塊茎を乾燥したものです。

ケシ科というとケシから作られる麻薬のモルヒネをイメージする人もいると思います。モルヒネは強力な鎮痛作用をもちオピオイド系の化合物です。

モルヒネほどではありませんが、この延胡索の成分にも鎮痛作用があり、これが痛みを抑える働きをします。

モルヒネは麻薬としてや麻薬および向精神薬取締法にて規制があるものですが、延胡索はそのような規制はなく安心して使用することができます。

 

さまざまな胃腸薬に含まれている

医療用漢方薬だけでなく、ドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品の胃腸薬にも【安中散】の成分を含むものが販売されています。

【安中散】という漢方薬の名称ではなく、「タケダ漢方胃腸薬A」、「太田漢方胃腸薬Ⅱ」などの商品名で販売されています。

現代社会において大人だけでなく子供たちも様々なストレスを抱えています。「タケダ漢方胃腸薬A」、「太田漢方胃腸薬Ⅱ」ともに7歳以上の小児においても過度なストレスによる胃痛や腹痛の症状緩和に使用することができます。

 

七味唐辛子に含まれる麻の実は大麻の種です。ただし、この種は熱処理して発芽できないようになっているので大麻を栽培することはできません。

幻覚作用などを示す大麻の薬理成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は種にも存在しますが、ごく微量しか含まれていないので摂取しても問題ありません。

大麻の種である麻の実は、大麻取締法に基づき “薬理成分であるTHCが0.2%以下であること” や “熱処理など、発芽できないように処理したもの” と安全性の基準が決められており、七味唐辛子などに含まれる麻の実は安心して食べることができるのです。

 

延胡索に含まれるアルカロイドは毒?!

【安中散】に含まれる生薬 “延胡索” には鎮痛効果をもつアルカロイドという成分が含まれています。

アルカロイドは塩基性窒素を含んだ有機化合物のことです。

動物に対してアルカロイドは神経ホルモン様の働きを示し、末梢神経などでは少量で神経を麻痺させる毒性を示すことから植物毒のひとつでもあります。

医療分野では、この作用を上手く利用し多数の医薬品が開発されています。

 

食後のほうが効果が高い?!

このアルカロイドという成分はアルカリ性である方が吸収効率が高く、胃の中のアルカリ性に傾く食後のほうが良いという見方もできます。

胃痛や腹痛があるなか、きちんと食事を摂ってから服用というのは難しいかもしれません。

【安中散】は食前もしくは食間の服用となっており、食後でなくても有効性が確かめられていますので有効成分の吸収だけを考えて無理に食後に服用しなくても問題ありません。

痛み止めとして使用される漢方薬として芍薬甘草湯が有名で、こむら返りの薬として広く知られています。ほかにも腹痛や生理通といった多くの痛みに対して効果があるといわれています。

 

この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

最後までご覧いただき有難うございました。



 

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