意外な危険も!【サプリメントと薬の飲み合わせを薬剤師が解説】

 

近年、健康増進や疾患の予防を目的として健康食品への関心が高まっています。

最近はドラッグストアや薬局だけでなく、コンビニエンスストアや100円均一などでもサプリメントが販売されています。

気軽に購入できるものなので、あまり意識されることがありませんが、

サプリメントのなかには薬との飲み合わせに注意が必要なものがあります

ここでは、特に注意が必要なサプリメントと医薬品の飲み合わせについて薬剤師が解説します。

“サプリメント”と“医薬品” 何が違うの?

サプリメントと医薬品の違いは何かわかりますか?

違い?なんだろう・・・

考えたことなかったな。

医薬品は薬機法で効果効能が認められたものです。

サプリメントは簡単にいえば食品ということになります。

 

サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれ、健康維持や病気の予防などを目的として使用されるものです。

日本ではサプリメントについて明確な定義はなく、厚生労働省では広い意味でサプリメントは健康食品のひとつとして扱っています。

今日ではビタミンやハーブなど様々な種類のサプリメントが市販されています。

健康増進や病気の予防を目的としたものだけでなく、美容を意識したサプリメントも市販され人気があります。

supplyサプライ】(補う)+【mentメント】(手段)でサプリメント

つまり、サプリメントは “必要なものを補う” というものです。

 

サプリメントと医薬品は何が違うの?

医薬品とは病気の治療や発症予防を目的としたもので、その効能効果や副作用、用法用量、その品質や有効性、安全性について審査が行われた結果、厚生労働大臣などから承認を受けたものです。

サプリメントは毎日の食事などで不足しがちな栄養素などを補うことを目的としたもので、その効果などは薬機法などで保障されたものではありません。

サプリメントは、その効果が保障されたものではなく、あくまで食品という扱いである。

医薬部外品というものがありますが、これは特定の症状などの予防効果のみを承認されたものです。

ですので、抜け毛予防の医薬部外品は、「抜け毛予防」とは記載できますが「発毛促進」とは記載できません。

サプリメントに効果はない?!

医薬品は、その効能効果が国などから認められたものでしたが、

ではサプリメントは効果がないのでしょうか?

なかには怪しいものもありますが、サプリメントにも効果が認められているものは数多くあります。

医薬品として承認を受けるためには、様々な厳しい基準があり、

効果は認められるが、その基準には達していないというものもあります。

国ごとで医薬品として承認される基準は異なり、日本では医薬品として承認されていなくても他の国では医薬品として承認されているということも珍しくありません。

サプリメントは、その効果が保障されたものではないため、

「〇〇〇が治る!」などの表記は薬機法違反となります。

サプリメントは多くの方が使用しています。

サプリメントは、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで気軽に購入できるもので健康増進や病気の予防、美容を目的として多くの方に使用されています。

健康食品の市場規模は大きく、

日本国内において、サプリメントを含む健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで2019年度は8,675億円(参考:矢野経済研究所調べ)といわれ、多くの方が使用されていることがわかります。

サプリメント大国といわれるアメリカでは病気の予防に対する意識が強く、

多くの家庭でビタミンなどのサプリメントが常備されています。

アメリカでは日本のように国民皆保険制度ではなく、自ら民間の保険に加入していることが多く、病気になった場合には、多額の医療費がかかることがあります。なので病気の予防や健康増進のためにサプリメントなどを利用している人が多いのかもしれません。

 

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注意!“サプリメント”と“医薬品”の飲み合わせ

シミを防ぐサプリに、ダイエットのサプリ、

最近、目が疲れてるから視力回復サプリ・・・

気になるサプリがたくさんあるのよね。

ドラッグストアなどサプリメントコーナーには

様々な商品が並んでいて気になりますよね。

ちなみに、サプリメントと薬の飲み合わせについて

考えたことありますか?

サプリと薬の飲み合わせ?

サプリなんて誰でも購入できるものだから

飲み合わせなんて考えなくて大丈夫じゃないの?!

薬と薬の飲み合わせは気にされる方が多いですが、

サプリメントと薬にも注意が必要なものがありますよ。

飲み合わせによる影響のことを、専門的には相互作用といいます。

サプリメントや薬は、単独で使用するのであれば問題がなくても、

合わせて使用すると効果が強くなりすぎてしまったり、

逆に効果が弱くなってしまったり、

場合によっては別の好ましくない作用がでてしまうことがあります。

 

サプリメントと薬の飲み合わせにも注意が必要

薬と薬の飲み合わせは気になるけど、サプリメントと薬については意識していないという方が多いのではないでしょうか。

薬とサプリメントの併用についても注意が必要なものがあります。

健康増進や病気の予防のためにと、サプリメントを使用しているのに、

それが逆に悪影響を及ぼしていたなんてことにならないように、

サプリメントについても飲み合わせに注意しましょう。

薬との飲み合わせに注意が必要なサプリメントをチェック

いろいろな種類のサプリメント等がありますが、

ここではビタミン類、ミネラル類、特定保健用食品、ハーブ類について

医薬品の作用に影響を及ぼすものを取り上げます。

ビタミン類と飲み合わせに注意が必要な医薬品

ビタミンAと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固阻止薬(ワルファリンテトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン角化症治療剤(エトレチナート),抗悪性腫瘍薬(トレチノイン

ビタミンB6と飲み合わせに注意が必要な医薬品

パーキンソン治療薬(レボドパ

ビタミンと飲み合わせに注意が必要な医薬品

利尿剤(炭酸脱水酵素阻害薬) (アセタゾラミド卵胞ホルモン薬(エストロゲン

ビタミンと飲み合わせに注意が必要な医薬品

強心薬(ジゴキシン,ジギトキシン,メチルジゴキシン活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール,カルシトリオール

ビタミンと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固阻止薬(ワルファリン,アスピリン,チクロピジン,クロピトグレル

ビタミンと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固阻止薬(ワルファリン

葉酸と飲み合わせに注意が必要な医薬品

抗てんかん薬(フェニトイン系

ビタミン類と薬の飲み合わせについての詳細については

下記の記事を参考にしてください。

>>あなたは大丈夫?ビタミンと薬の飲み合わせをチェック

ミネラル類と飲み合わせに注意が必要な医薬品

ミネラル全般と飲み合わせに注意が必要な医薬品

骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート系製剤テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン),ニューキノロン系抗菌薬消炎鎮痛剤(セレコキシブ

カルシウムと飲み合わせに注意が必要な医薬品

強心薬(ジゴキシン,ジギトキシン,メチルジゴキシン

と飲み合わせに注意が必要な医薬品

甲状腺ホルモン剤利尿剤(レボチロキシン,リチオロニン抗パーキンソ剤レボドパ,レボドパ・カルビドパ下痢治療薬(タンニン酸アルブミンセフェム系抗生物質(セフジニル)

ミネラル類と薬の飲み合わせについて詳細は

下記の記事を参考にしてください。

>>あなたは大丈夫?ミネラルと薬の飲み合わせをチェック

特定保健用食品(トクホ)と飲み合わせに注意が必要な医薬品

虫歯予防の特定保健用食品と飲み合わせに注意が必要な医薬品

下剤,高アンモニア血症治療薬(ラクツロース,ラクチトール水和物,糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬

お腹の調子を整える特定保健用食品と飲み合わせに注意が必要な医薬品

強心薬ジゴキシン,ジギトキシン,メチルジゴキシン),脂溶性ビタミン(A、D、E、K
,鉄製剤
下剤,高アンモニア血症治療薬(ラクツロース,ラクチトール水和物,糖尿病治療薬(α-グルコシダーゼ阻害薬

コレステロール値を下げる特定保健用食品と飲み合わせに注意が必要な医薬品

脂溶性ビタミン(A、D、E、K),葉酸,β-カロチン,高脂血症薬(イオン交換樹脂製剤),経口避妊薬,脂溶性薬(グリセオフルビン,イトコナゾールなど

血圧を下げる特定保健用食品と飲み合わせに注意が必要な医薬品

高血圧治療薬(ACE阻害薬カリウム保持性利尿薬スピロノラクトン,カリウム製剤

血糖値を下げる特定保健用食品と飲み合わせに注意が必要な医薬品

糖尿病治療薬 全般

特定保健用食品(トクホ)と薬の飲み合わせについて詳細は

下記の記事を参考にしてください。

>>あなたは大丈夫?特定保健用食品と薬の飲み合わせをチェック

ハーブ類と飲み合わせに注意が必要な医薬品

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)と飲み合わせに注意が必要な医薬品

気管支拡張薬(テオフィリン,アミノフィリン)、抗てんかん薬(フェニトイン製剤,カルバマゼピン,フェノバルビタール)、強心薬(ジゴキシン,ジギトキシン,メチルジゴキシン)、抗不整脈薬(塩酸アミオダロン,硫酸キニジン,ジソピラミド,塩酸プロパフェノン)、免疫抑制薬(シクロスポリン,タクロリムス,エベロリムス)、抗悪性腫瘍薬(ゲフィチニブ,メシル酸イマチニブ)、抗真菌薬(ボリコナゾール)、卵胞ホルモン薬(エストラジオール)、血液凝固防止薬(ワルファリン)、抗HIV薬テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン)、解熱鎮痛薬(ピロキシカム),選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)(マレイン酸フルボキサミン,パロキセチン,セルトラリン)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI) (ミルナシプラン)、トリプタン系片頭痛治療薬(エレトリプタン,スマトリプタン,ゾルミトリプタン,エレトリプタン,ナラトリプタン)

イチョウ葉エキスと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固防止薬(血栓防止薬ワルファリンカリウム,アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル、解熱鎮痛薬イブプロフェン,アスピリン,アセトアミノフェン糖尿病治療薬

カモミールと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固防止薬(血栓防止薬)ワルファリンカリウム,アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル

朝鮮人参と飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固防止薬(血栓防止薬)ワルファリンカリウム,アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル糖尿病治療薬

クマザサと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固防止薬(ワルファリン

オオバコと飲み合わせに注意が必要な医薬品

躁病薬(炭酸リチウム

エキナセアと飲み合わせに注意が必要な医薬品

免疫抑制薬(プレドニゾロン,シクロスポリン,アザチオプリン,メトトレキサート),カフェイン

バレリアンと飲み合わせに注意が必要な医薬品

睡眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬

ガルシニア・カンボジアと飲み合わせに注意が必要な医薬品

アスピリン

フィーバーフューと飲み合わせに注意が必要な医薬品

血液凝固防止薬(血栓防止薬)(ワルファリン,アスピリン,チクロピジン,クロピドグレル)、解熱鎮痛剤(アスピリン,アセトアミノフェン

ハーブ類と薬の飲み合わせについて詳細は

下記の記事を参考にしてください。

>>ハーブと薬は一緒に飲んではいけない!?ハーブと薬の飲み合わせをチェック

 

健康増進や病気の予防には、規則正しい生活(バランスのとれた食生活や適度な運動)が重要です。

サプリメントは必要なものだけ、そして特に病気など治療中で薬を使用している方は、医薬品との飲み合わせも気にしながらサプリメントを使用するようにしましょう。

この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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