調剤薬局には、いろいろな調剤を補助するための機械があります。
粉薬を均等に分包する散剤分包機であったり、一包化するために錠剤がセットされた錠剤自動分包機、水剤を自動で分注する機会、軟膏を混ぜる機械など用途によってさまざまです。
新しい機械を導入して欲しいけど、いくら位するのか、そして採算はとれるのか気になるところです。
今回は調剤機器の導入について考えてみましょう。
分包機の価格は数百万円
調剤機器には、さまざまな種類がありますが主な機械の価格は以下のようになっています。
・散剤/錠剤自動分割分包機
最もオーソドックスなもので100~200万円程です。円盤タイプのものになると機能にもよりますが200万円~500万円程になります。
・全自動錠剤分包機
カセット数が100程度のもので500万円~700万円程です。最近では、ひとつのカセットで様々な種類の錠剤をカバーできるマルチカセッターといわれるものも発売されています。
・全自動水剤分注機
10種類程度の水剤を自動で分注してくれるもので200万円~300万円程です。
価格については、発売されているメーカーによって変わります。
調剤機器の耐用年数は6年
耐用年数とは、事業に使う固定資産のうち、減価償却していく資産を減価償却資産ことです。
簡単にいうと「その資産(機械)の一般的な使用可能期間」のことです。
調剤機器の耐用年数は6年となっています。つまり、6年間は使用できるだろうということですが、メンテナンスなどを行っていれば10年以上使用できる調剤機器もたくさんあります。
逆に雑に扱っていると6年もしないうちに故障して使用できなくなってしまう場合もあります。
人件費を考えれば調剤機器は安い
調剤機器が数百万円といわれると高いと感じてしまう方もいるかもしれません。
それぞれの調剤薬局の状況によりますが、調剤機器はかなりコスパが良いものになり得ます。
たとえば、小児科の処方箋をたくさん受付けている調剤薬局で、水剤の調整に1日2時間程度を要しているとします。薬剤師の時給を2000円とすると、水剤の調整に薬剤師の人件費として1日4000円かかっていることになります。
ここで200万円の水剤自動分注機を導入したとすると、200万円÷4000(円)=500 となります。つまり単純計算で500日間(およそ2年間ほど)使用すれば元が取れてしまいます。
長く使用すればするほど、人件費を考えるとコスパがいいですね。
人件費は最も高い経費だといわれます。
安定的に調剤薬局を運営していくうえでは経費を考えることはとても大切なことです。
また、今後の日本は労働人口の減少にともない人材の確保も難しくなってくることも考えられます。
状況に応じて調剤機器を積極的に導入していく必要があります。
薬剤師は調剤機器にできない仕事を
さまざまな調剤機器がでてくることは、調剤薬局で働く薬剤師にとっては、とても強い味方となります。
ただ、逆に危機感も持たなければなりません。
薬剤師は調剤機器ができない仕事の能力をあげていく必要があります。
調剤機器にできない仕事の能力、それはコミュニケーション能力です。
散剤や水剤、外用薬などの調剤する能力、医薬品の知識ももちろん必要なものではありますが、これから必要とされる薬剤師はコミュニケーション能力が高い方となるでしょう。
最後までご覧頂きありがとうございました。