便は、その漢字が示すように「身体からの便り」です。
なかなか、じっくり観察している人は少ないかもしれませんが、
食生活や体調の変化によって、便は日ごとに変化しています。
近年、日本人の便の量が減ってきているというのです。
今回は便とわたしたちの健康の関連についてのお話です。
【日本人の便の量が減ってきている!】腸内環境と便、そして健康の関係
便の成分、どのようなものか知ってますか?
突然ですが、便はどのようなもので構成されているか知ってますか?
便の構成?考えたこと無いけど・・・
う~ん、食べた残りカスとか老廃物だと思うけど?
間違いではありませんが、便のほとんどが水分なのです。
重さの内訳では、食べた残りのカスは5%程度です。
食べた残りカスが5%しかないの?!
全然イメージと違う!!
便の成分について
便の成分は、重さで比較すると水分が80%で最も多く、残りは10%が腸内細菌の死骸、腸粘膜細胞の死骸と食べ物の残りカスが、それぞれ5%ずつとなります。
つまり、便のほとんどは水分であり食べ物の残りカスは5%ほどしかないのです。
便の成分において80%が水分であることから、便秘薬には腸内の水分を調整するものが多くみられます。
便における腸内細菌の割合
重さで比べると便のほとんどが水分です。
では、水分を除いたもので比較してみると、腸内細菌の死骸が10%でそれ以外が10%となり
半分が腸内細菌の死骸ということになります。
このように考えると腸内細菌の死骸の割合がいかに多いのかがわかります。
こうしてみると便の成分はほとんどが水分であることから、
便秘や下痢といった便の状態については腸内の水分調節が大きく
関係していることがわかります。
日本人の便の量が減っている?!
便の量は人それぞれ、あるいは国によっても違うこと知ってましたか?
それって、単純に食べる量によって違ってくるんじゃないの?
たしかに食事の量によっても便の量は変わりますが、
戦前と比べて食べるものが豊富になって過食気味といわれるなかで
日本人の便の量は半分になったというデータがあるのです。
食べる量が増えているのに、便の量が減ってる?
なんでだろう??
以前に比べ日本人の便の量は半分になった?!
ほんの数十年前には考えられなかったほどに、現代社会において食生活は変わりました。
いまの日本においては、食べたいときに何時でもいくらでも食べられるような環境にあります。
これは、様々な人たちの努力によってつくられた環境であり、素晴らしいことだと思います。
しかし、戦前ともいわれる昭和初期とくらべ、食生活は良くなり、たくさん食べている(少なくとも極端に減ってはいない)はずなのに日本人の便の量は半分になっているとのデータがあります。
便の量が減少している。それは野菜不足が原因
日本人の便の量が減っている原因として考えられるのが、腸内細菌の減少です。
そして、その腸内細菌の減少を招いているものが野菜の摂取不足です。
『日本人は野菜が足りていない』とよく見聞きすると思いますが、やはり以前の日本の食生活に比べて野菜の摂取量は減っています。
食生活の欧米化により、肉や揚げ物などが中心になっており、それに伴い野菜の摂取量も減っているのです。
野菜に含まれる食物繊維は腸内細菌のエサであり、すなわちエサが少なくなれば腸内細菌は減ってしまいます。
水分を除いた便の成分において半分は腸内細菌の死骸です。
すなわち、腸内細菌が減るということは死骸の数も減るので
結果的に便の量も減るのです。
腸内細菌を増やして健康に!
便の量が減っているということは、結局のところ腸内細菌の数も減っているということです。
腸内細菌は、肥満を予防してくれる“天然のやせ薬”をつくってくれるものや、“幸せホルモン”といわれるセロトニンの生成に関わっています。
また、ひとによっては“美容成分”のエクオールというものをつくり肌や髪の毛にハリやツヤを与えてくれているものあります。
つまり、便の量が減るということは健康や美容から遠ざかるといっても過言ではありません。
腸内細菌が喜ぶ、野菜(食物繊維)をしっかり食べて健康と美容を手に入れましょう。
便は腸内細菌の状態を知ることができる貴重な情報源であるのです。
これをチェックしないのは、“健康や美容など、どうでもいいです!”
と言っているようなものです。
腸内細菌に感謝をこめて、便の状態をチェックするようにしましょう。
参考記事⇒美しさは腸内フローラで決まる!?【腸内細菌とダイエット、美容の関係】
いかがでしたでしょうか、便についての認識が変わった方もいるのではないでしょうか?
これからは、排便後はすぐに流してしまうのではなく、腸内細菌に感謝をしながら健康チェックをすれば
日々の暮らしがもっと良いものになると思います。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。