親から子への大切な贈り物といえば、
おもちゃ!?愛情!?いやいや、お金でしょう!?
もちろん、どれも大切なものだと思いますが、あなたはもっと大切なものをもらっているかもしれませんよ。
それは、“腸内細菌”です。
今回の内容は、受け継がれる腸内細菌についてのお話です。
親から子へ大切な贈り物【受け継がれる秘伝の力】それは腸内細菌!
腸内細菌は親から与えられるもの?!
わたしたちの腸内細菌はどのように形成されるか知ってますか?
生まれる前から、お腹の中にいるものじゃないの?!
お母さんのお腹のなかにいる間、赤ちゃんは無菌状態です。
生まれた後に、お母さんからプレゼントされたものですね。
細菌のプレゼントなんて聞いたことないけど!?
出産過程や母乳を通じて細菌が受け継がれる
赤ちゃんはお母さんのお腹のなかにいるときは無菌状態で育ちますが、
この世に生まれた瞬間から様々な菌と接することになります。
なかでも出産する過程や母乳を通じて母親の細菌に接し、それを取り込みます。
母乳を飲むことによって善玉菌の代表格であるビフィズス菌やラクトバチルス菌などが一気に増加します。
腸内細菌の種類は人それぞれ違いますが、
母親と子供について腸内細菌の種類が似ていることが多くみられます。
これは上記のように母から子へ細菌が受け継がれているからです。
コアラやパンダはお母さんのウンチを食べる?!
コアラの赤ちゃんは、生まれてすぐにお母さんの便(ウンチ)を食べます。便を食べるなんて、ちょっと信じられないかもしれません。
コアラはユーカリの葉を食べます。
ユーカリにはタンニンという物質が含まれており、これは消化によくないもので、他の動物はユーカリの葉を食べません。
コアラはタンニンを分解する腸内細菌(ロンピネラ菌)がいるため、ユーカリを食べても問題ないのです。
コアラは、この腸内細菌を受け継ぐために離乳食として親の便を食べるのです。
パンダは笹を食べますが、笹の繊維質(セルロース)を分解する腸内細菌がいるのです。
コアラと同じようにパンダも、お母さんの便を食べることによって笹を分解・吸収してくれる腸内細菌を受け継いでいます。
このようにコアラやパンダは、他の動物が食べない植物を分解できる
腸内細菌を持つことによって、食料を確保しているのです。
海藻を食べられるのは日本人だけ?!
あなたは海苔やわかめなど海藻を食べられますか?
食べられるって、好き嫌いのこと?
わかめの味噌汁に海苔巻きなど好きだけど
おいしい海藻ですが、
食べたくても食べられない人がいます。
海藻を食べられないなんて
アレルギーか何かあるっていうこと?!
人間は海藻を消化できない
わたしたち日本人の食生活において、海藻はとても身近なものですよね。
わかめ、昆布、ひじき、海苔など様々な料理に使われています。
海藻は細胞壁というものがあり、人間はそれを分解できる酵素をもっていないのです。
では、海藻は食べられないのかというと
そうではありません。
消化できないということであって、食べた海藻は消化されずに排出されます。
このようなことから海藻は低カロリー食品といわれているのです。
日本人には海藻を消化できる特殊能力がある!?
人間には海藻を消化できる酵素がないということでしたが、
フランスのある研究チームが
“日本人の腸内から海藻を消化する酵素が見つかった”
という論文が発表されました。
どういうこと? と思われた方も多いですよね。
この海藻を消化する酵素というのは人間が作り出しているものではないのです!
ん? 人間が作り出しているものではない??
では、海藻を消化する酵素はどこからきたのでしょうか。
それは “腸内細菌が消化してくれている” のです。
日本人にしか、この海藻を消化してくれる腸内細菌がいないというのは言い過ぎですが、日本人以外ではこの腸内細菌を保有している人が極端に少ないといわれています。
日本の国土は海で囲まれており、海藻を含めて海の恵みを享受するために特有な腸内細菌を獲得し、それを代々受け継いできたのです。
海藻を消化(分解)された際にできる【短鎖脂肪酸】は太りにくい体質に変えてくれる可能性もあります。
この海藻を消化できる腸内細菌は、日本人が代々受け継いできた
何ものにも代えがたい贈り物だといえます。
参考記事⇒【ダイエットに必須!】天然のやせ薬、短鎖脂肪酸を有効に活用!
菌というと何かと敬遠されがちなものですが、
腸内細菌が親から、そして遠い昔から受け継がれてきたものであると考えると
貴重な財産だと思いませんか?
この貴重な財産を大切にし、健やかな毎日を送れるようにしたいですね。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。